MANNHAI / The Sons Of Yesterday's Black Grouse

The Sons of Yesterdays Black

The Sons of Yesterdays Black

フィンランドの荒くれ4人組による2001年の1st。メンバーのうち、ベースのオーリ・ペッカはAMORPHISの初期〜中期にかけてのメンバーで、彼とギターのイッカを中心に結成されたのがこのMANNHAI。その後ドラムにミッコ、ボーカルにXYSMAのヤニが加入して1stのメンバーになったようです。
ところで、XYSMAといえば、RACASS直系のゴアグラインドバンドから、サバスやレトロロックの要素を取り入れて90年代の初頭には早々にグラインド/デスロックの音を完成させていた連中ですね。一時期のENTOMBEDのご先祖さまみたいな存在だそうでストーナーともオーバーラップする部分があるバンドです。KYUSSの2ndが92年だから、ネットのない時代の同じような時期にそういうバンドが遠く離れた場所で発生していたのはおもしろいです。


さてそんな4人組の出す音はというと、70年代のフィーリングを漂わせたミッドテンポ主体のヘビーロック。 SPIRITUAL BEGGARSとかTHE QUILL が引き合いに出されるけど、その2バンドよりもブルース色はやや薄め。少しモダンなヘビーロックの要素を感じる部分もあるけど、全体を通してやたらと獰猛な空気がみなぎっていて、とにかく格好いい。このあふれる蛮族感がBEGGARSやQUILLと異なるこのバンドの個性だと思います。
北欧のバンドってバイキングの血がそうさせるのか、バンカラな音を格好良く鳴らす連中が多いんだけど、そうした蛮族ロックの多くがストレートなグラインド・デスロックやストーナーを指向するのに対して、MANNHAIのこのアルバムはヘビーロックのグルーブ重視のスタイルで蛮族感を漂わせているのが貴重。2ndはヘビーロック成分が和らいで爆裂ブギーな音になっていてそちらも最高です。
ただ、3rd以降は洗練の度合いを進めてストレートなロックンロール路線に移行してしまったようであまり食指が動きません。本作に関しては、楽曲も演奏もいうことなし。サウンドプロダクションは荒さやローファイ感を追求したものではないけども、十分に生々しく、彼らの迫力をしっかり伝えています。中古もそれほど高くなかったはず。

MEMBER:
Joanitor Muurinen Vocals
Mikko "Junior" Pietinen Drums
Olli-Pekka "Oppu" Laine Bass
Ilkka "Ile" Laaksomaa Guitars


Kasper Martenson Keyboards
Mannhai / Mikko Raita プロデュース


1. Gazers of the Red-Hot Stones 04:42
2. She's One of a Kind 03:01
3. No Need to Follow 03:54
4. Only For the Sake of Losing 04:22
5. Cloudberry Jam 02:27
6. Spender 04:19
7. Lowbrow 04:53
8. Inhuman Woman 04:22
9. So I Said 04:23
10. 100 000 Years (Kiss cover) 03:26
total: 39:49


Mannhai - Only for the Sake of Losing